出産施設探しは、妊娠前から

 

自宅から近いところが最善か?私が主催するマタニティクラスで、妊婦さんたちが通う出産施設を選んだ理由を聞いてみると、ナンバー1は「家の近所にあったから」です。

 

「ちょっと待って!」といつも思います。今や美容院や歯科医院でも、電車に乗ってお気に入りの施設に行く時代。新しい生命が誕生する場を「近所にあるところでいいか」は一考の余地があります。

 

自分の人生も性もパートナーとの関係も、すべてが関わってくる出産を、「家の近所だから」「母が勧めたから」で選んでいいのでしょうか!?

 

出産は本来は生理的なできごとではありますが、自分という生命が新しい生命を産みつなぐ意味で「命がけ」。命がけというとちょっとコワい印象で瀕死状態を連想するかもしれませんが、医療施設にすべておまかせするというものではなく、安産は自分で健康度を高めて創っていくものです。

 

いざ出産という時にすぐに医療現場で診てもらいたいが故に「近所で」という気持ちは誰でも持つものですが、納得のできる出産方法が実現できる施設が近所にある人など、ほぼいません。

 

出産施設の閉鎖問題など、地方ごとに制約があるかと思いますが、ある程度の規模の市区町村であれば複数の出産施設があるもの。「出産施設は近所がいい」は第一優先事項でなくても大丈夫なのです。

 

出産当日は、陣痛が10分に1回の程度の間隔で来たら産院に連絡をします。初産の場合、陣痛を感じてから赤ちゃん誕生まで約12時間が平均。最低でも半日くらいかけて、ゆっくり心と身体が開いていくのがお産です。心もゆるまないと子宮口が開かないので、ウォーミングアップが長く2日間以上かかる人も少なくありません。

 

近所に心開ける出産施設があるに越したことはありませんが、陣痛開始から出産までは時間があるので、少々遠くても自分に合うと感じる出産施設まで産みに行く人も少なくありません。